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完全オリジナルにて、BL小説なる駄文を書き綴っております。 性的描写を含む表現も出てまいりますので、18歳未満の方のご閲覧はご遠慮くださいませ。

きみがくれた空の色<番外編> act.1

カテゴリー : きみがくれた空の色<番外編>
初めてあの人を見た時は、こんなところで昼飯も食べずに、何をボ〜ッとしてるんだろうって、それだけだった。

いつもの指定席に腰を下ろそうとする時、いつもふと視界の端に映るあの人は、ぼんやりと焦点の定まらない目つきでどこか遠くを見ていて。

一見しただけでは、なんの苦労も知らない、いかにもエリートですって風貌で。
身に纏うオーラも違うって言うのかな……ちょっと嫌味なくらい、きっちりと着込んだ高そうなスーツが似合ってて。

でも、エリートサラリーマンと言うには、どこか崩した髪形は、逆の意味でとても好感が持てた事だけははっきりと覚えてる。

この公園に来る時、最初は人を惹きつけるオーラを全開にしているように感じるのに、ふとした瞬間にその全てを閉じ込めてしまうような、まるで周りを遮断するかのように気配を消し去っているようにさえ思えるあの人の事が、不思議なくらい気になってた。

いつもその姿を視界の端に認めながら、きっと俺はあの人に近づける機会を伺っていたんだと思う。
自分でもよくわからないけど、無性に気になって仕方がないあの人と、1度でいいから会話を交わしてみたかった。

だからあの日、昼休みの時間いつものように公園に来たあの人が、突然バタンと仰向けに倒れて。
驚いた俺は思わず駆け寄ってた。

突然覗き込んだ俺に、同じように驚いた表情を浮かべたあの人が、なんだか無性に可愛くて…って、自分よりあきらかに年上の人掴まえてその言い草もおかしいけど。

そして……無性に話をしてみたくて。
『くたびれたオヤジ』だなんて心にもない事を言いながら、断りもなく隣に腰を下ろした俺を、あの人は拒絶しなかったから。

浮かれてたんだよな。
何故かわからないけど、すごく嬉しくて。

その日からお昼の1時間足らずを一緒に過ごすようになって、俺だけじゃない、あの人…浅葉さんも俺に興味を持ってくれてるんだって事はすぐにわかった。
それがまた嬉しくてくすぐったくて───…。

だけど、あんなに鈍い人だとは思わなかった。
30超えたいい大人が、俺から謎掛けしなきゃ自分の気持ちに気付かないなんて。

しかも、見た目だけで言えば、あんなにも遊び慣れてそうな気がするのに。
いや、実際遊び慣れてはいるんだろうけどさ、絶対この人は本気の恋愛なんてした事がないって、妙な確信が持てたんだ。

それがまた嬉しかったなんて、絶対に言ってなんかやんないけどさ。
たいした恋愛経験がない俺にだってわかる事なのに、当の本人は全然自覚ないんだもんなあ。

でもそれがまた可愛かったりね。
だから、こうなったら絶対俺に本気だって認めさせてやるって思ったんだ。
思ったんだけど…甘く見てたのは俺の方かもしれない。

さすがとでも言うべきか、無駄に年を重ねてきてるわけじゃないとでも言うべきか。
しょっぱなから強烈なキスを仕掛けてきたあの人は、その瞬間に自覚したらしい気持ちを前に、全く怯む事なんてなくて。

むしろ、俺の方がタジタジしちゃうくらいに積極的で、大人の男の手腕…って言い方はおかしいかな。
とにかく!こっちが照れくさくなるくらいに、落ち着き払った物腰で甘い雰囲気を仕掛けてきた。

2度目のキスをされて、ぶっちゃけ足腰立たない状態で、くったりとその逞しい胸板に身を預けた俺の耳元で、これまた腰が砕けそうなくらい甘い声で囁いたんだ。

「仕事が終わる頃に迎えにくるから、俺の部屋においで」

って!いきなりそっち!?
目を白黒させる俺に、クスクスと楽しそうな笑みを浮かべて。

「言っとくけど、部屋に誰かを招くのは初めてなんだよ」

それって立派な殺し文句だよ!!
恋愛初心者なんて、そんな純情ぶるつもりはないけどさ、でもだからこそ、あんなキスをされた後に部屋に誘われたりなんかしたら、あらぬ期待だってしちゃうだろ?

何だか悔しくて、行かないって言った俺を、それでもクスクスと笑みを浮かべながら見つめてたあの人は、すっかりその気になってる俺に気付いてたんだと思う。

ちくしょう!
部屋には行ってやるけど、絶対手を出させてなんかやんないんだからな!

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