駄文倉庫

完全オリジナルにて、BL小説なる駄文を書き綴っております。 性的描写を含む表現も出てまいりますので、18歳未満の方のご閲覧はご遠慮くださいませ。

片恋 act.10

カテゴリー : 片恋
(R-18)

ろくに慣らされもせずに抉られる内壁は、ピリピリと裂けてしまったのであろう痛みを感じさせるのに。打ちつけられる欲望を飲み込む事に慣らされたその場所は、それでも貪欲にその熱を咥え込む。

「い…あ、あ…っ!」

与えられる快感を覚えた浅ましい身体は、悲鳴を上げる心とは裏腹に、更に奥深くへと誘い込もうと蠢く。

「俺が来ないと思ってたんだろ?だからその隙に、男を連れ込もうとしたってわけだ」
「ち…ちが…っ!あ、あ…新……っふ…ぁあっ!」

俺の身体を抱き慣れ、どこをどうすれば俺が痴態を晒すかを知る新の手によって、どんなに嫌だと叫んでみても翻弄される意識は誤魔化しようがない。
その手の動きに、噛み付くような愛撫に……こいつに与えられる全てに悶え狂う俺を、一体どういう気持ちで見つめているのだろう。

「やぁ──…っんぅ…っ!」
「嫌じゃないだろ?素直にイキたいって言えば?」

そこに含まれた蔑みの色に気付いているのに、俺を見下ろす瞳の中に、侮蔑の存在すら感じるのに、自分でもどうしようもない疼きが、思考も何もかもをめちゃくちゃに支配するんだ。

「痛いのも感じるようになっちまったんだ?すっげ…もうイッてんじゃねえのってくらい、おまえのここぐちゃぐちゃになってんよ?」

ぶつけられるそんな言葉でさえも、耳元で吹きかけられるように囁かれれば、届くその低い声だけで俺にとっては十分過ぎるほどの愛撫だった。

「あ、あ…新…っ…んん、ぁあっ!」

四つん這いの格好で、突き出す形でこいつの前に痴態を晒し。ガツガツと壊れそうなくらい激しく打ち付けられ、痛いはずなのに、苦しいはずなのに。
それでもこいつが与えてくれる、ただそれだけで、痛みすら快感に変わってしまうほど。それほどまでに、乾いた心はこいつを求めてるのに。
縋りついてしまいたいその腕は、ただ俺を押さえ込むだけで、決して抱きしめてなどくれなくて。

「い…っや…あああっ!」

それまで俺の背を押さえ込んでいた手が不意に離れ、それを理解した時には、熱を穿たれたままのその身体をそのまま反転させられていた。
絡み合う視線の中、堪えきれず伸ばした手は、そのまま両手首を大きな手によって拘束され、1度も触れることが叶わないままに、頭上へと抑え込まれてしまう。

「あ…らた…っ…。お願…ぅんっ…ひぁ…っぁああっ!」

望みは声に出す事も許されず、言葉ひとつ発してくれない新の、ただ欲望を吐き出す為だけの打ちつけが再開された。
抉られる──…全てを抉り出されるような快感の波。それに翻弄される俺は、頭上で束ねられた自分の手を、自由に解き放つ術すらわからない。

触れたいのに。おまえに触れて、その背に縋りつきたいのに。
その首筋に腕を絡め引き寄せ、どさくさでもなんでもいいから、吐き出される熱い吐息を飲み込むくらいのキスが欲しいのに。

「物欲しそうな顔してんなよ」

受け入れる秘部が卑猥な動きを見せ、絶え間なく零れ落ちる喘ぎに、口端から飲み込みきれない唾液を垂らす俺に、まるで蔑むようにして向けられた言葉。
解放を許されない欲望の渦に翻弄され、最早まともな思考を保てなくなっていた俺の耳に、その言葉は明確な意味を持っては響かず。

抱き締められたい。
抱き締めたい。
キスをしたい──…。

そんな風にして、後から後から押し寄せてくる欲求と、回避しようにもしきれない快感の大波。
何度も何度もイカセて欲しいと懇願する俺の、そんな願いは結局叶えられる事はなく。
目尻から溢れ出す涙すら、今はひどく冷たく感じた。

「あ…らた……手…痛…っああ」

幾筋もの涙を溢れさせ、押さえつけられたままの手首が痛いと訴えかければ、俺を見下ろしてくる瞳の中に、一瞬──…ほんの一瞬だけ、辛そうな色が見えたような気がして。
そうして、不意に解かれた戒め。今の今まで抑え込むようにして俺の手を拘束していた、そのゴツゴツとした、でも綺麗な指先が、ほんの一瞬だけそっと頬に触れてきた。
一瞬止まった打ち付けに、その真意が測りきれず、不安を訴える心のままにその表情を窺い見れば、ほんの一瞬見えた気がした温もりはすぐに立ち消え。
それは、俺の願望が見せた幻想だったのかと、そう思わずにはいられないほどに冷たい光がその瞳には戻っていた。

「ひぁ…っ!い…あああっ!」

再び抉るようにして抽入が繰り返され、頬に触れてきた手に感じた優しさの意味も、一瞬その瞳をよぎった切なさの意味も、ちゃんと考えたいのに何も考えられなくなってしまう。

新?俺に何を言おうとした?
今、おまえは何を考えてた?

そう問いかけたいはずの言葉は、押し寄せる快感の波に飲み込まれ、唇から漏れ出す嬌声は、最早何の意味もなさない。
それでも求める温もりを探し彷徨う手は、無意識のうちに真っ直ぐにあいつへと伸び。絡ませた首筋に、必死の思いでしがみつく。

「新…新…っ!ね…ねえ…っ、キス…して──…っ!」

闇に飲み込まれてしまいそうな意識の中で、飛びかけた意識の中で、気付いたときには口にしてしまっていた望み。
決して、口に出してはいけない願い。それはわかっていたはずなのに──…。

「な…に…?おまえ、本気で男が好きな奴になっちゃったの?」

驚愕に染められた新の瞳が俺を映し出し、止まった動きの中で、痛いほどに流れ込んでくる冷たい蔑みの言葉。

違う!俺は男が好きなんじゃない!おまえが好きなんだ!

そんな言葉全てを、凍りつかせてしまうほどに冷たい視線が突き刺さり。

「気持ち悪いんじゃなかったんかよ」

そうして投げつけられた言葉が、俺の思考の全てを凍結させた。
『気持ち悪い』と、そう言った新の言葉が全てだった───…。

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