| 幸せなキスの味 -後編-(イッポ全開・番外編) |
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「なんだよな〜あいつら〜!人の事何だと思ってやがるんだっての〜」 自宅の最寄り駅に着いた途端、ふらふらと足元がおぼつかなくなってしまったリョウちゃんが、俺に寄っかかるようにして歩きながらブツブツとこぼし始めた。 あの後、リョウちゃんの不機嫌は直らなかったけど、それでも結局付き合いのいいリョウちゃんは、その不機嫌を周りに悟られることなく場を盛り上げることに徹し始めた。 でも、そんなリョウちゃんの不機嫌に気づいてしまっていた俺にとっては、リョウちゃんが女の子と楽しそうに話してるとか、もうそんな事に嫉妬なんかしてる場合じゃなくて。 ああいう時のリョウちゃんが、いくら面白くなくても場の雰囲気を壊すような人じゃないって、それはわかってたんだけど。 不機嫌を抑え込むように、やたらとピッチの早いお酒に、正直ヒヤヒヤしてたんだ。 アルコールが入る入らないは別にして、リョウちゃんはいつも一歩引いた目線で輪の中にいる割りには、友達とわいわい楽しむ席が大好きで。 あまり目立ってそれを表に出すことはないけど、そんなに強くないお酒だって、つい量が増えちゃうという可愛いとこがあったりする。 でも今日は、リョウちゃんにとってはそんなに楽しいお酒じゃなかったはずなのに。 だからこそペースの早い飲み方が心配で仕方がなかった。 結局、俺のそんな心配は見事に的中しちゃって、みんなと別れて2人になった途端、リョウちゃんの不満は爆発したみたい。 まあ、電車の中ではさすがに控抑えてくれてたみたいだけど、駅に降り立った途端これだもんな〜…。 結局、リョウちゃんがこうして愚痴をこぼせるのって俺だけなんだって、それを思うとすごく嬉しかったりするんだけど、そんな事言ったらまた怒られちゃうから。 だから俺は、ふらふらになってるリョウちゃんの身体を支えながら、「うん、そうだね」って相槌だけを繰り返す。 「け〜っきょくよぉ〜いつだって、なぁ〜んの計算もなしに近づいてくる奴はいねえってこったろぉ〜」 「そんな事ないよ。みんなリョウちゃんの事が大好きだから、だからリョウちゃんの周りには友達が集まってくるんじゃない」 「けっ…相変わらず面白みのね〜奴だなぁ〜」 「うん、ごめんね。でもさ、みんな別に女の子と知り合いたいからリョウちゃんのそばにいるってわけじゃないでしょ?たださ、みんな彼女が欲しいお年頃なんだよ」 妙に真剣な顔でそんな台詞を並べた俺に、一瞬ポカンとした表情を浮かべ視線を寄越してきたたリョウちゃんが、ぶはっと盛大に吹き出して。 「おまえにゃあ必要ねえもんな〜」 なんて、妙に嬉しそうな笑顔を浮かべながら言ってくれるから、そこに含まれた意味を深読みしてしまった俺は、なんだか胸がくすぐったくなっちゃって。 「そうだよ?俺には全然必要ない。俺は昔からリョウちゃん一筋だもん」 「だ〜か〜らぁ〜!おまえが言うと冗談に聞こえねえっつ〜の〜」 「俺、冗談でこんなこと言わないも〜ん」 と、冗談めかしてそう言えば、うひゃひゃと声をあげたリョウちゃんが、ますます寄りかかってくる身体の力を抜いちゃって。 その重みを感じるだけで、俺の顔はみっともなく緩んでしまう。 「いいんだよ、おまえはそれで…」 「リョウちゃん?」 「そのま〜んま!ずっと変わらずにいろよな〜」 へらへらと笑ったままのリョウちゃんが、普段は絶対言ってくれない事を言ってくれるから、俺もへへへ…と笑いながら支えてた肩を僅かに引き寄せれば、不意にかち合った視線がほんの少しだけ近づいてきて。 え?と思ってる間もない内に、ほんの一瞬……見上げてきたリョウちゃんの唇が俺の唇に触れてきた。 「リョ…ッ!?」 さすがに予測していなかったその行動に、慌てて口元を押さえれば、何が楽しいのか「うひゃひゃ」とまた笑い出す。 そりゃさ、終電で帰ってきたこの時間、周りに人影なんて見当たらないけどさ! こんな公道で、リョウちゃんからキスしてくれるなんて……っ!! 神様、お酒様!! 俺は幸せですっっ!! 「リョウちゃん!!」 感極まって、思わず引き寄せた肩をむぎゅぎゅって抱き込めば、やっぱりうひゃひゃって笑うリョウちゃんが、「ぐぇ…っ」って、ちょっと苦しそうな呻き声をあげて。 それでも、ゆっくりとあがったその腕が、不意に首筋に絡みついてきたから。 もうこの瞬間俺は、あまり飲めないアルコールというものが大好きになってしまった! 「あっつ苦しい奴ぅ〜」 そんな事を言いながらへらへら笑うリョウちゃんが、その体勢のままでまたちゅってキスしてくれて。 「リョウちゃ〜ん」 幸せすぎてどうにかなっちゃいそうな俺の頭のネジが、スポポポポ〜ン!!と音を立てて抜けるのが聞こえた。 むぎゅ〜って抱き寄せたその唇を、ほんの少し深く貪れば、一瞬ピクンと震えを見せたリョウちゃんがそれでも抵抗なんてしなかったから。 「…っん…むぅ〜…」 微かに漏れ出す吐息は甘いのに、耳に届く声がどこか間抜けで、ちょっとくすくすと笑いながらも、俺はその柔らかな甘さをゆっくりと味わうように口づける。 「リョウちゃん…大好きだよ」 って、お決まりの告白を耳元で囁けば、へにゃっと笑ったリョウちゃんが、今度は自分から離れた唇を追いかけてきてくれた。 ここが天下の公道だとか、お互いの家の近所だとか、もうそんな事はどうでもよくて。 リョウちゃんから仕掛けてくれるキスに完全に酔っちゃってた時……。 「え、え?リョウちゃん!?」 俺の首に回されていたはずのリョウちゃんの手が、ズルリと落ちたと同時に唇が離れてしまい。 慌てて覗き込んだその顔は、変わらずふにゃりとした笑顔を浮かべてはいたものの、その瞳は完全に閉じられたまま全身の力が抜けてしまっていた。 「ここで寝るかな〜……」 完全に力が抜け切った身体はズシリと重くて、さすがに固まってしまった俺は、つい盛大なため息を漏らす。 「仕方ないなぁ〜…」 それでも胸に広がったままのくすぐったさは、変わらずそこにあったから。 半分呆れながらも体勢を立て直し、なんとか抱えなおした身体は、なんとも頼りなく揺れていた。 「仕方ないなぁ〜…」 もう1度そう呟いて、よっこらしょと横抱きに抱えあげた身体は温かくて。 感じる温もりが嬉しくて、むぎゅぎゅって抱きしめた。 「リョウちゃん、大好き…」 囁きながら頬にキスをひとつ。 そしたら、眠っちゃったリョウちゃんの顔がふにゃって笑顔を浮かべたから、たまらず唇にキスをひとつ。 そうして歩いたリョウちゃんの家までの道のりは、これ以上ないってくらい幸せだった。 「……って!これじゃあ鍵開けれないじゃん!ってか、鍵は!?リョウちゃ〜ん、起きてよ〜〜〜!」 <<fin.>> TOPに戻る(←クリックでページジャンプ) リクエスト企画、第4弾♪ リク内容は、『お酒飲んで酔っ払って、いつもより少しだけ積極的なリョウちゃん』というものだったのですが。。。 ちょっとリョウちゃん、積極的になりすぎましたかね(^_^;)ってか、天下の公道で何やっとんじゃい!(爆) しかも、せっかくリョウちゃん大胆になったのに、こんなオチって…… リクエスト企画もこれにて終了…ってことは?イッポもこれで全て終わりだというのに! 最後の最後はやっぱりギャグに走ってるし......orz まあそこそこ面白かったよと、おっしゃっていただけますか??…o(;-_-;)oドキドキ 次はどの小説を持ってくるかな〜と思案しつつ…イッポに最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございましたm(__)m |
| コメント |
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柚子季も幸せ!!
もうね、自分ちに連れて帰って一緒にベッドで寝ておしまい!(爆)
賛成♪
起きた時のリョウちゃん、見物だろうなぁ(笑) お酒さまさまでしたね!! よし!たまにはリョウちゃん酔わせよう計画で頑張れ一歩!ww はぁ〜〜♪ほわほわな幸せいっぱい頂いた一歩連載でした(*^_^*) ありがとうございました〜!
>柚子季さま☆
イッポ宅にお持ち帰りしちゃいますかvv うん、でもこの状況じゃあ仕方ないよねぇ♪壁‖*`m´)ムププ♪ んでもって、リョウちゃん酔わせよう計画賛成〜〜ヽ(´ー`)ノ どうもうちの受け達は、酒癖悪いみたぁい(笑) こちらこそ、いつもいつも柚子季さんのコメに励まされておりました〜vv 今夜はeternal loverを更新し、次はいよいよ例の企画始動でっす(≧▽≦)ゞ またお付き合いお願いしまぁすvv イッポ、最後までのお付き合いありがとうございましたm(__)m ご拝読感謝(o_ _)o))
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