Design by bossne
Template up date [2008-5-20]
http://tokinokotonoha.blog99.fc2.com/
駄文倉庫
完全オリジナルにて、BL小説なる駄文を書き綴っております。 性的描写を含む表現も出てまいりますので、18歳未満の方のご閲覧はご遠慮くださいませ。
Master:時友
アンケート☆
サイト1周年企画☆アンケート結果発表♪
たくさんのご協力、ありがとうございましたm(__)m
詳細は……下記クリックにて、別ページ開きます☆


1周年企画☆アンケート結果
更新情報
    目次はTOPページ(←クリックでページジャンプ)にございますm(__)m
    *文字スクロールいたします。
参加ランキング
ランキング参加再開しました。

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
1日1クリック有効vvサイトをお気に召したら、ポチッと一押しお願いしますm(__)m
参加トラコミュ
キリリク停止中☆
17万HIT御礼♪


キリリクの受付を一時停止させていただきます。また受付開始の際は、こちらでお知らせをさせていただきますm(__)m
現在の閲覧者様☆
ご閲覧、ありがとうございますm(__)m
現在の閲覧者数:
管理人:本館ご案内
Treasure(本館)
*管理人が別HNにて運営する、表サイトなる本館へのご案内をさせていただきます。

■学園物中心で、あまあまハッピーエンドを基本としたサイトです。
■短編〜長編〜シリーズ物と、小説の本数だけは多いです。
■18禁を掲げてはいますが、基本ぬるぬるです。


……というように、こちらのサイトとは毛色の違う作品を置いてあるサイトです。
それでもいい!とおっしゃっていただける方、下記リンクバナーをクリックしてやってください♪
別窓にて本館ページが開きます。本館へのご来訪、心よりお待ちしておりますm(__)m
Treasure〜いつかの僕達〜
管理人:水城 唯香(管理人:別HN)18禁
言の葉送信
ご意見・ご感想、お待ちしております。 アドレス未記入の場合は、雑記&レス板にてコメントレスをさせていただきますので、ご了承くださいませ☆
恋幻〜RENGE〜 act.1
穏やか過ぎる陽射しの中に、鼻腔をくすぐる甘い香りが漂い始め、訪れた春の風景が今年もまた、胸に燻り続ける想いを呼び覚ます。

幼かったあの頃の淡い恋心は、時を重ねるごとに、色鮮やかな優しさと切なさだけをこの胸に残し、己の中で知らず美化されていく思い出は、同時にそこから動き出す勇気すら奪っていった。
叶うならこのままずっと、優しい夢の中に生きていたいとすら願ってしまうほどに、まだ純粋だったあの頃の想いは、徐々に薄汚れていく心の救いで、同時に弱い心の象徴のような存在だった。

しかし、留めておきたいと願いながらも、少しずつ薄れていく記憶の中で、あの頃出会った彼の笑顔だけは今も鮮やかに甦り、過去に縋る俺の弱さでさえも許してくれているような。そんな錯覚を現実と捉えようとする俺の、たったひとつの支えだったんだ。





昼間は春の穏やかな陽射しが差し込むこの部屋も、夜の闇のベールを被ると共に、妖艶な雰囲気を色濃く漂わせる。
会えば、決まりごとのように重ね合わせる肌の温もりに、今日も縋り痴態を晒す。

「祐希──…愛してるんだ…」

そして、いつだって繰り返される睦言は、どこか不安を湛えているようで。
俺を見つめる、雄の本能を剥き出しにした、欲望に濡れるその瞳がいつも不安気に揺れていて。
自分がこんな顔をさせているのだと、それを理解しているからこそ、胸に甘く広がる快感。その不安を取り除いてやりたいと思う心の裏で、ただ俺だけを見つめ求めるその瞳の存在が、そのまま変わらずそこにあればいいとさえ願う。

「祐希……祐希……」

何度も繰り返される己の名が、この瞬間、どうしようもなく愛しく思える。
決して同じ言葉を返そうとはしない俺の身体を、貪りつくそうとする目の前の恋人の首に腕を絡め、誘うように腰を揺らせば、簡単にこの手に落ちてくる幼さが愛しくて。
その激しさに飲み込まれそうになる、まさに至福とも言えるその瞬間、すぐにでも手放してしまいそうな理性の裏でいつも脳裏に思い描くのは、過ぎ去ってしまったあの頃の、切なく淡い夢物語──…。






「祐希(ゆうき)せぇ〜んせっ!」

ガラリと、勢いよく開け放たれた職員室の扉。同時に聞こえてきた、呆れるほどに煩い声に、机に肘を突いた手でこめかみを押さえつける。
休み時間になると繰り返される、うっとおしい事この上ない呼びかけ。

「ねえねえ、今日こそ一緒にお昼食べようよ」

日常と化してしまったこの風景に、最早注意を促す教師1人見当たらない。
それどころか、こうして訪れる生徒の存在に、「いいですねえ」なんて、そんな嬉しくない声を同僚教師からはかけられる始末だ。

「吉沢ぁ〜…何度言ったらわかるんだ。弁当は教室で友達と食え!」
「え〜?本当に冷たいよな〜。こうして足しげく通って、もう3年近いってのに、いっつも言う事同じなんだからさ」

にこにこと笑顔を貼り付けて、懲りもせずに弁当箱を持参してくるこいつは、3年の吉沢 輝一(よしざわ きいち)。
何が楽しいのか知らないが、1年と3年と、こいつのクラスの教科担当を受け持ってはいるものの、担任でもない俺に、それこそ高校入学当時からやたら懐いてくるこいつは、でかい図体に似合わず素直な奴で。
人好きする、いつも貼り付けられているその笑顔は、まあ……嫌いじゃない。

でも、3年生は卒業を控え、すでに自由登校となっているこの時期になってもまだ、ご丁寧に弁当持参でこうして通ってくるこいつが、正直少し疎ましかった。
嫌いではないが、しつこいくらいに寄せられる、はっきりと意味を見出したくない好意は、正直に言ってしまえば、迷惑以外のなにものでもなかったんだ。

「もう、卒業まで時間ないんだぜ?残された時間がないんだからさ、少しくらい付き合ってくれても罰当たんないと思うな〜」
「その残り少ない貴重な学生生活の時間を、こんなくだらない事に費やしている方が、どうかと思うがな」
「くだらない!?な〜に言っちゃってんの?俺にとっては、大事な大事な時間なんだぞ」

わざとらしい程に張り上げた声で抗議の言葉を発し、ぶすぅ〜っとむくれた表情を作り出したところで……いくら生徒と言えども、自分よりも遥かにデカイ図体した奴を可愛いだなんて、思えるわけないだろうが!このバカタレが!
……と、怒鳴ってやりたい気持ちをなんとか押し込める。

ウザイくらいに纏わり付かれていても、俺は教師だ、教師……。
たかが生徒の、こんな悪ふざけにいちいち振り回されてどうする。
そうだ……落ち着け、落ち着くんだ俺!

こんなはずじゃなかった。
別に、教師という職に、特別な思い入れや憧れを抱いていたわけじゃない。教員免許を運良く手にしたから、就職活動の一環として受けた有名私立高校に、これまた運良く採用されて。
今や難しいとされている教師という職業だって、仕事だと割り切ればそこそこにはやっていけるだろうと。
思春期真っ盛りの中学生に比べれば、高校生の方がまだ、幾分扱いだって難しくはないだろうし、深く突っ込みさえしなければ、たいした問題にだって直面する事もないさ……と、本当に軽い気持ちでついた職だったんだ。

それなのに、蓋を開けてみればどうだ!?
教師になって1年目は、まあそこそこにやっていたと思う。今だって、別に大きな問題を抱えているわけでもなく、教師生活4年目にしてようやく、1年生の担任を任されるようにもなった。
そこそこに生徒にだって慕われてはいるし、教師イジメの的にならないでいるだけ、俺の教師生活は順調だと言えるだろう。……こいつ、吉沢の存在さえ除けば。

そう!問題はこいつなんだよ!
教師生活2年目の春、まだ担任はおろか、副担任のクラスすら持っていなかった俺は、1年生の数クラスの数学担当という、当然新人の域を出ない新米教師で。
それでも、それなりに教師生活にも慣れ、親しみを込めて「狩野(かのう)ちゃん」などと、俺としてはあまり喜ばしくないニックネームで呼んでくれる生徒も、チラホラと見かけられるようにはなっていた。
そんな、平穏だった俺の教師生活に、能天気なほどに明るい……いやいや、やかましいほどに煩わしい嵐を運び込んできやがったのが、他ならぬこいつ!今目の前で、懲りずに弁当箱の入った袋を突き出してくるこいつ……吉沢だ。

約3年前の春。ほんの少し前まで中学生だった新入生達は、揃って初々しく緊張した面持ちで並んでいた。
もちろん吉沢もその中の1人で。今よりも2回りは小柄だったはずのこいつは、それでも当時から満面にニコニコと貼り付けた笑顔の存在だけは、今も変わる事ないままなのだが。
図体ばかりが、どんどんデッカクなりやがって。

「祐希せんせぇ〜」

俺よりも小さかった頃は、まだ可愛いとも思えたが、今や俺よりも遥かにデカク育ったこいつに、そんな風に甘えるように名前を呼ばれたって、可愛いだなんて思えるはずがない。

「ズルイよな〜…俺がせんせぇより大きくなったら、ちゃんと真面目に考えてやるって、そう言ったくせにさ…」

真横に腰を落とし、中腰の体勢で机についた腕に顎を乗せ、少し上目遣いで視線を向けてきながら、まるで俺に非があるのだと言わんばかりに愚痴を零す。

「そんな事言ったか?」
「うわっ!ずっりぃ〜、とぼけてる!!俺、今すっごく傷ついちゃったもんね」

大げさに胸を抑え込み蹲りながら、チラッと窺うようにして見上げてくる視線は、そこにおかしな意味など含まれていなければ、まあ……可愛い生徒の1人として見れない事もない。
が、しかし!生憎と、俺は男子生徒からのふざけた告白を真に受けるほど、おめでたい思考回路は持ち合わせちゃいないんだ。

「ふざけてばっかいないで、さっさと教室に戻れ」
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜!一緒に飯食おうってば」
「い・や・だ!おまえとなんて、落ち着いて飯が食えるか。食べた気がせずに、無駄に疲れるのがオチだな」
「ひどい!ひどすぎるぜ、祐希ちゃん」
「その『祐希ちゃん』ってのをやめろ」
「なんで〜?可愛い名前じゃん。せんせぇにぴったり!祐希ちゃ〜ん」

立ち上がり、まだそこに座る吉沢の腕を引っ張り上げながら、ギロリと睨みを利かせるものの、相変わらずへらへらと笑うこいつは、全く気に留めた様子もなく、嬉しそうにその名前を繰り返し紡ぎだす。
その事に、ほんの少しのくすぐったさを覚えながらも、同時に胸を締め付ける切なさに、無意識のうちに心が息苦しさを訴えかけてくる。

本当に苦手なんだ。こいつに名前で呼ばれるのは……。
昔俺の名を呼んでくれた、あの声を思い出してしまうから。
皮肉な事に、こいつとそっくりな声で俺の名を呼んでくれた、あの声を思い出してしまうから───…。

<<to be continued…→next click>> 目次はTOPページ(←クリックでページジャンプ)にございますm(__)m

 

*拍手内並びにブログ内にて頂戴しましたコメントは、
全て雑記&レス板(←クリックにて別窓)にて、レスを行わせていただきます。

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
ランキング参加しています。1日1クリック有効vv↑
小説をお気に召していただけたら、ポチッと一押しお願いしますm(__)m
  2008/04/30 恋幻〜RENGE〜 コメント(0) TB(0) 記事No(65) ▲TOP
恋幻〜RENGE〜 act.2


手ひどく苦い恋の思い出は、俺だけじゃない……誰だって1度は経験するものなのかもしれない。
そもそも、あの頃の俺の恋は、手ひどいだなんて形容の仕方はおよそ似つかわしくない、幼く小さな恋心だった。

自分が、同性相手に恋心を抱く、いわゆるゲイなのかもしれないと、それを認識したのは、本当に恋を恋と捉えられない程に幼かった頃からの想いが、見事無残に散ったあの時だった。
いや、正直に言えば、未だにその認識は確証を得ず。たった1人恋心を抱いた相手が、自分と同じ男だったのだという事実以外、確かめる術を持ち合わせていないのが現実だった。
それでもあれ以来、男はおろか女相手にもその手の感情を抱く事ができない俺は、ある意味で感情の欠落した欠陥人間なのかもしれない。

自分で自分がわからない。
そんな俺でも、確かに抱いた恋心は、未だ胸に燻り続け。叶う事のなかった想いに、半ば縋るようにして生きていた俺は、その頃の純粋な想いを失くしてしまった今もなお、どこかでそれを失くす恐れを抱き続けていたのかもしれない。

「ねえ、せんせぇ……ちゃんと答え聞かせてよ」

春と呼ぶにはまだ肌寒さが残り、ひんやりとした空気が漂う教室の中、向かい合って立つこいつからは、いつもとは違う雰囲気が漂ってくる。
滞りなく終わりを告げた卒業式の、余韻を味わう人々の喧騒が、窓の下に落ち着かない風景を作り出し。本来ならば、その場にいるはずのこいつに呼び出された俺は、その真剣な視線に捉えられた瞬間、来るべきではなかったとひどい後悔に苛まれていた。

いや……こうなる事はわかっていたんだ。
初めて会った時から、妙な好意を寄せてきていたこいつの、冗談のように紡ぎだされる言葉が、本当は真剣なものであった事など、俺はとっくに気づいてた。
だからこそ、正面から向き合う事を避け続け、全てを冗談で流してしまう事で、俺は己の中の自制を保ち続けてきたのかもしれない。
それをわかっていながらも、こうして呼び出しに応じて、誰1人として残っていない教室に出向いてしまったのは、結局はどこかでその真っ直ぐさに惹かれ、それを求める俺の弱い心が原因だった。

「俺ね、せんせぇの事が好きだよ」

痛いほどに真っ直ぐな視線が、そして怖いくらいに真剣なその言葉が胸に突き刺さる。
その視線から逃げる術などわからずに、1ミリだって逸らす事などできないのに、そんな俺の心に響いたのは、真っ直ぐすぎるこいつの想いだけではなくて。

『俺、祐希の事好きだよ』

あの頃、彼が言ってくれたその言葉が、こいつの声に乗って同時に甦ってくる。
こいつの言葉に心が揺さぶられるのは、単純にその気持ちが嬉しいと思うからなのか、それともずっと胸に巣食い続けてきた、あの頃の想いが重なってしまうからなのか……。

「だから、いつか俺が想うのと同じように、せんせぇが俺の事好きになってくれたらいいなあって思うんだ」

『だから、いつかおまえが想ってくれるように、俺もおまえの事が好きになれるような気がする』

耳から入ってくる言葉と、胸から湧き上がってくる遠い記憶が、俺の思考を混乱させる。

「今すぐが無理だって言うなら……でも、可能性がゼロじゃないなら、俺はずっと待っていたいんだ」

『今すぐに答えは出せないけど、おまえには待っていてもらいたいって……それは我侭かな?』

まるで正反対の意味を持つ言葉なのに、こんなにも胸を締め付けられるのは、彼の言葉に期待を抱き、バカ正直に待ち続けていた頃の俺の姿と、今俺に気持ちを伝えてくれるこいつの純粋な想いが重なってしまうからだ。
待ち続けても叶わなかった想いへの未練が、未だにそこから抜け出せずにいた己の弱さを増長させていき……今のこの現実を、真っ直ぐに受け止めきれない歪んだ感情。

「待つって……可能性があるなんて、俺は一言も言ってない」
「それはわかってるよ。でも、ゼロじゃない…違う?少なくとも、せんせぇは俺の事嫌ってないだろ?」

不安気に揺れる瞳。それでも紡ぎだされる言葉は強くて。
その真っ直ぐさに惹かれてしまう心は、きっと誤魔化しようがなく……本物だった。

「俺は、この気持ちが変わらないって自信があるんだ。初めて見た時から、ずっとせんせぇが好きだったから」

遠い過去に置き忘れてきてしまっていた、誰かを好きだと想う純粋な気持ち。
それを抱くこいつの姿が眩しくさえ思えて。同時に、俺が失ってしまったものをその手に持つこいつが、妬ましいとさえ感じた瞬間だった。

「変わらない?そんなものは存在しやしないよ」
「せんせ……?」

こいつの言葉と視線に、思わず絆されてしまいそうになるほど、惹かれている自分がいるのに。同時に、どうしようもなくドス黒い感情が心を支配する。

「どんな言葉で飾ったって、所詮人の気持ちなんてあてにあらないものだ」
「どうして?俺は、ずっとせんせぇが好きだったよ」

『俺は、ずっと祐希の事が好きだよ』

また脳裏で重なる声。

あの頃の彼の言葉には、今こいつが言うような感情は含まれていなかった。
それは純粋に、幼馴染として、友人としての俺に向けられた言葉で。それを理解しながらも、ほんの少しの可能性にかけて待ち続けた俺の想いは、結局叶う事がないまま。

「これからも、きっとずっと好きだよ」

『これからも、おまえは大切な存在である事に変わりはないよ。でも……ごめんな』

そう言って彼は、10年間待ち続けた俺の気持ちを置き去りに、1年間付き合った彼女と昨年結婚してしまった。

わかってる。彼は何も悪くない。
不確かな約束に縋り、僅かな期待を捨て切れなかったのは俺自身だ。
それでも、彼女ができた事すら俺に言わず、あの頃の言葉ですら忘れてしまったかのように、突如結婚すると告げてきた彼を……それでも憎む事などできなかった。
憎む事ができたなら、自分勝手だと知りながらでも、彼を責める事ができたなら、忘れる事だってできたかもしれないのに。

「おまえは……夢を見ているだけだよ。若い頃は、そういう間違いだってある。後になって気づくんだ……その夢物語の現実に」
「せんせ……?」
「あとになって、やっぱり違いましたなんて言われちゃあ、俺もおまえも惨めになるだけだからな。だから……さっさと忘れろ」
「どういう意味!?それって……惨めになるって!」

自分の発した言葉の意味を明確に判断できず、ポツリと呟いた俺の腕を、伸びてきた大きな手が鷲掴んでくる。
その強さに眉を顰めながら、俺はたった今自分が発してしまった言葉に我に返った。

「なんでもない…っ!離せ…」
「嫌だ!ちゃんと聞かせてよ。俺、本気なんだ。本気でせんせぇの事…!」

射抜かれてしまいそうなほどに強い眼差し。
掴まれたその場所から、熱いくらいに流れ込んでくる想い。

「男同士で、惚れた腫れたのと……おかしいだろ」
「なんで?男だとか女だとか、そんなに気にしなきゃいけないのか?ただせんせぇが好きだって、それだけじゃいけないのか?」

まだ過ちのなんたるか、その全てを理解しきれていない、挫折を知らない少年。
俺が失くしてしまったものをその手に握り締め、幼い想いをぶつけてくるこいつに、惹かれている自分を誤魔化せやしないのに。それでも、心の中で必死にその想いを押し留めようとする俺は、こいつへの嫉妬の感情すら同時に抱いてしまっていたんだ。
真っ直ぐ過ぎるほどの純粋な美しさに感動すら覚えるのに、だからこそその美しさを絶対に許せなかった。

「試してみるか?」
「……え?」

何故あの時、自分がそんな行動に出てしまったのか……そのわけは5年の時を経た今ですら、はっきりとした形を伴わないままで胸に燻り続けている。
ただあの時は、真っ直ぐに想いをぶつけてくるあいつが眩しすぎて──…憎かった。

<<to be continued…→next click>> 目次はTOPページ(←クリックでページジャンプ)にございますm(__)m

 

*拍手内並びにブログ内にて頂戴しましたコメントは、
全て雑記&レス板(←クリックにて別窓)にて、レスを行わせていただきます。

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
ランキング参加しています。1日1クリック有効vv↑
小説をお気に召していただけたら、ポチッと一押しお願いしますm(__)m
  2008/05/01 恋幻〜RENGE〜 コメント(0) TB(0) 記事No(66) ▲TOP
恋幻〜RENGE〜 act.3
わざとらしいほどに、ゆっくりと伸ばした手をその首に絡ませ。
捉えた視線を絡ませ、焦れったい仕草で重ね合わせた唇の感触は、今でもはっきりと覚えている。

「せんせ……っ!?」

絡ませた腕から、触れ合った場所から伝わってくるあいつの震えが、不思議なほどに残酷な感情を呼び起こし。汚してやりたいと……ただそれだけだった。
俺とキスをして、こいつがほんの少しでも嫌悪感や拒絶を表したら、そら見た事かと、所詮はその程度の気持ちだったのだと、笑い飛ばしてやるつもりでさえいたのに。

「祐希──…っ!!」

そんな俺の浅はかな考えは、幼すぎる雄の本能を煽るには十分すぎる刺激になってしまったらしい。
一瞬尻込みを見せたこいつの反応に、鼻で笑ってやろうと身体を離した瞬間、抗えないほどの力で抱きすくめられ。

「吉ざ……っん…」

驚きに目を見開いた俺の唇は、まるでしゃぶりつくような勢いで貪られた。
あまりに幼く稚拙なその口付けは、お世辞にも気持ちがいいだなんて思えるような代物ではなかったが、気づいたときにはその熱情に浮かされるかのように、夢中になっていたのは俺の方だった。

不器用に絡み合う舌の存在は、性的欲求など感じさせられるようなものではなかったはずなのに、容易く俺の理性の箍を外し。
口付けの合間に漏らされる、俺の名を呼ぶあいつの声が、あの頃の彼の声と重なり、あり得ないほどの興奮を胸に迸らせたんだ。

そして、改めて気づかされてしまったんだ。
こいつに惹かれていく心の裏で、俺はまだ彼への想いを捨て切れずにいるのだという事実に。
そんな想いを抱えたままで、こいつの気持ちを受け入れられるはずなどないではないか。
俺の歪んだ感情で、こいつの綺麗な心を汚してはいけないだなんて……ほんの少し前に、汚してやりたいと思ってしまうほどに憎いとさえ思ったのは、他の誰でもない俺自身なのに。

相反する感情の狭間で、あの時俺が見出せた決断は、たったひとつしかなかった。

「好きだよ……好きなんだ……」

ガタガタと、周りを囲む机の列を乱しながら、縺れ込むようにして倒れこんだ床の上。
床に叩きつけられる衝撃から、俺の身体を守るようにして抱きしめてくれた吉沢の腕が、縋るようにして力を込めてきて。
そして、明らかな意味を含んで仕掛けられた、やはり幼い口付け。

「それで気が済むなら、俺を犯せよ」

抵抗をする事なく、それを受け入れた俺の唇が発した言葉は、自分でもゾッとするほどに冷たく尖ったものだった。

「せんせ……?」

こいつが、そこまでを考えていたのかなんて、それは俺にはわからない。
だからそれは、こいつの将来の為を思って、わざと突き放すような言い方をしたわけでもなんでもなくて。
受け入れるべきではないと、それを理解しながらも、その存在を手に入れたいと願う、とことん相反する感情から出た言葉だった。

「どうした?怖気づいたか?」

わざと挑発するような仕草で、触れ合った足を絡ませ、首筋へと伸ばした手で引き寄せ口づける。
と、全身を強張らせながらも抵抗を見せなかった吉沢の唇が、乱暴に俺の唇を塞ぎ、同時にシャツの中へと滑り込んできた手が、余裕なく胸元を這い回る。
触れられたその手の冷たさに、ゾクリと肌が粟立ち、しかし感じる内側の熱に思わず小さなため息が漏れ出したその瞬間。

「ご…ごめ…っ!」
「吉沢…?」

我に返ったように身体を起こした吉沢が、ほんの少し乱れた俺のシャツを直し、今にも泣き出しそうな表情で床に転がったままの俺の身体を、支え起こしてくれた。
期待をしながらも、どこかでこいつが思い留まってくれた事にホッとしたのも本当で。
掴まれた腕を振り解きながらゆっくりと立ち上がり、未だへたり込んだままのこいつを見下ろせば、俯いたままの瞳からポタポタと零れ落ちた雫が、床のタイルに小さなシミを広げてゆく。

何を泣く必要があるんだ?別に俺は女じゃない。1度や2度押し倒されたくらいで、しかも未遂だったというのにいちいち傷つくほど、初心な心は持ち合わせていないぞ?
そう声に出しかけた言葉は、しかし発する事が何故か躊躇われ。
だからと言って、慰める意味でこいつに触れる事もできず。ただ呆然と見下ろす俺に、謝罪の言葉を繰り返すこいつが、不意に力なく立ち上がり。その目尻を濡らす涙を腕で拭いながら……笑ったんだ。

「ごめんね、せんせぇ……俺、今無理やりやっちゃうとこだった」
「別に……」

無理やりだったわけじゃない。押し倒された形にはなっていたが、間違いなく誘ったのはこの俺だ。
そう言おうとした俺の言葉は、静かな吉沢の声に遮られた。

「こんな事がしたかったわけじゃないんだ……って、今更説得力なんてないけど。でもさ、俺知ってるから」
「知ってる…って…?」
「せんせぇがさ、俺の事嫌いじゃないって事と…」
「そ…れはっ……」
「うん、教え子としてだよね」

静かな声で語りかけてくる吉沢の表情は、この3年間うっとおしいくらいに纏わりついてきた、無邪気な少年のものなんかではなくて。つい今しがた見せた、欲望を湛えた雄のものでもなくて。
ただ穏やかなその笑みは、これまで見てきた吉沢のどんな表情よりも、ずっと大人びて見えたから。ほんの僅か跳ね上がった心臓の鼓動の意味を、全て理解しそうになった己の思考に、正直戸惑った。

「そんでさ……誰か好きな人がいるって事も…」
「───…っ!?」
「せんせぇさ、自分で気づいてないだろ。時々さ、すげえ寂しそうな顔で、教室の窓の外見てんの。その顔がさ、すげえ綺麗で……俺が好きになったせんせぇは、誰かの事を想ってるせんせぇだった」

そう言って笑った吉沢の表情は、やはりドキッとしてしまうくらいに綺麗だった。
こんなにも穏やかな笑みを浮かべる奴を、俺は知らない。今目の前にいるのは、俺が知ってる吉沢 輝一じゃない。

「おまえに……何がわかる…」
「わかるよ。だって、俺は本当にせんせぇの事見てたもん」
「おまえなんかに…っ!」
「わかってたまるか…って?残念!わかっちゃうんだな〜これが」

「ちょっと切ないけどね…」と、そうポツリと呟いたこいつの声こそ切なくて。痛いくらいに締め付けられる胸が悲鳴を上げる。

「だからさ、今すぐが無理だなんて事、ちゃんとわかってる。でもさ、いつか……せんせぇがその人の事を忘れられる時がきたら、その時は俺が隣にいたいなって……そう思っちゃったんだ」
「吉ざ……」
「でも、こんなんじゃ無理だよね。俺ってば、てんでガキで……あんな事したって、せんせぇは俺のものになんかならないのにさ」

まるで自分に言い聞かせるように紡ぎだされるその言葉は、切ない痛みとなって俺の胸に浸透してくる。

「ごめんね、せんせぇ。でもさ、いつか……俺がちゃんと大人になった時、もし会えたら……。そしたら、今度はちゃんと考えてよ。冗談なんかじゃないんだよ?俺はね、本当にせんせぇの事が好きなんだ」

言いながら、そっと目の前に差し出された大きな手。その手が何を望んでいるのか、半ば混乱し始めていた思考では、そんな簡単な意味ですらわからずに。
戸惑いに揺れる瞳で、ただその手を凝視する俺に、フッと笑みを浮かべた吉沢が、俺が握り返すその前にゆっくりと引っ込めたそれを、静かな仕草でズボンのポケットへと突っ込んでしまった。

「祐希せ〜んせ!3年間お世話になりました。せんせぇに会えたから、俺学校に来るのが楽しかったよ」

ぺこんと、軽く頭を下げた吉沢が最後に向けてくれたのは、この3年間で見飽きるほどに向けられてきた、俺がよく知る笑顔だった。

「またね、祐希せんせ!」

そして、俺からの言葉を待たずに、こんな日には当たり前のように交わされる、「卒業おめでとう」のその言葉すら言わせてもらえないままに、いつもと変わらない軽快な足取りで教室を出て行った吉沢の、その広い背中を追いかける事が俺にはできなかった。

「何だ……それ…」

自分で呼び出したくせに。あんなにも真剣な表情で、声で告白してきたくせに。
どうして、俺の答えをちゃんと聞こうとしないで、そうやってあっさり出て行ってしまえるんだ?

取り残された教室の中で、呆然と呟いた自分の声が、妙に虚しく響き渡り。
それでも、傷つけてしまったはずのあいつが最後に見せてくれたのが、いつもと変わらない笑顔だったから。
頬を一筋伝い落ちた涙は、苦しいくらいに温かかった。

<<to be continued…→next click>> 目次はTOPページ(←クリックでページジャンプ)にございますm(__)m


*拍手内並びにブログ内にて頂戴しましたコメントは、
全て雑記&レス板(←クリックにて別窓)にて、レスを行わせていただきます。

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
ランキング参加しています。1日1クリック有効vv↑
小説をお気に召していただけたら、ポチッと一押しお願いしますm(__)m
  2008/05/02 恋幻〜RENGE〜 コメント(0) TB(0) 記事No(67) ▲TOP
恋幻〜RENGE〜 act.4(最終話)


全てを解き放った、満たされた心と身体に、心地よい余韻が広がり。
ベッドの上でうつ伏せに転がる俺の背に、緩やかな愛撫が飽きる事なく繰り返される。

「愛してる──…」

そして、情事の間中囁かれ続けた、甘すぎる言葉は今も止む事はなく。

「そんなに大安売りされると、感動も薄れるな」

枕に頬を埋めながら、くすくすと笑みを浮かべ視線を流せば、一瞬切な気に歪んだ瞳が俺を映し出し。くしゃっと泣きそうに崩れた顔を隠すように、俺の背中に顔を埋めたこいつが、痛いくらいの力で抱きしめてくる。

「また……あの人の事考えてた?」

呟かれたその声は、本当に聞き逃してしまいそうな程に小さくて。無言のままで身を捩り、背中に埋められているその顔を覗き込もうとすれば、まるで駄々を捏ねる子供のように小さく首を振る。

「あの人って?」
「……何でもない…」

問いかけた俺に返されたのは、そんな誤魔化すような台詞で。次の瞬間、パッと上げられたその表情には、聞こえてきた押し殺すような声の存在など微塵も感じられない程に、いつもと変わらない笑顔が貼り付けられていた。

「おかしな奴だな」

くすくすと笑みを零す俺の頬に、そっと触れてきた唇が、徐々にその位置を移し。そして唇に与えられた、溶けそうなほどに甘い刻印。
そこから流れ込んでくる、愛しい恋人の切ない想いに、やはりくすくすと笑みを零す俺の心は、包み込んでくれる穏やかさに満たされていた。

「わかってるから。俺は大丈夫だから」と、声に出して告げられる事のないこいつの気持ちが、触れ合ったその場所から痛いくらいに流れ込んでくる。



5年前、置き去りにされた教室の中で、「またね」と言って去っていたあいつの声だけが虚しくいつまでも響いていた。
その背中を追う勇気も、そしてその意味ですら見出せず。ただ、己の頬を濡らす涙の存在は、何故かひどく温かく感じられたんだ。
それが、最後にあいつが見せてくれたのが、いつもと同じ笑顔だったからだという事は、嫌になるくらい理解していた。

追いかけたいと望む心と、今それをしても仕方がないと、半ば絶望にも似た気持ちで諦めてしまった事実。
その存在を手にしたいという願いと、それでも過去を引きずり彼を忘れてしまう事ができなかった俺の、あの時できた唯一の決断だったのだと。それを信じる気持ちは今も変わってはいない。

いつか本当に、再びおまえが俺の目の前に現れたとき、変わらず俺を想ってくれるなら、その時は躊躇う事なくその手を取っても許されるだろうか。
おまえを傷つけてしまってもまだ、自ら追いかける勇気もなく、ただ待ち続ける事しかできなかった卑怯な俺は、考えてみれば、あの頃からずっとその与えられた温もりに、甘え続けていたのかもしれない。



「いつか──…」

またしても、思い出の中に意識を引きずり込まれていた俺の耳に、不意に届いた囁き。

「ちゃんと俺を見てくれるまで、俺はずっと待ってるから」

そう言って、そっと頬に触れてきたこいつの唇が、あの頃と同じように微かに震えていた。
こんなにも真っ直ぐな想いをぶつけてくれるおまえを、安心させる言葉を俺は知ってる。

1年前、「追いかけてきちゃった」と、あの頃と変わらない笑顔で俺の目の前に立ったおまえを、俺がどんな気持ちで見つめていたか。おまえにはわからないか?
5年の時を経てもなお、変わらない想いを注いでくれるおまえの存在を、今俺は何よりも大切に思っているのだと、それを告げたらどんな顔を見せてくれるだろうな。
この5年間変わらず、俺がいつも脳裏に思い描くのは、おまえがあの時見せてくれた笑顔なのだと。それを告げたら、おまえはやっぱり同じ笑顔で、でもそこに泣きそうな表情を貼り付けるんだろうな。

なあ、輝一……俺は、ちゃんとおまえの事を愛しているよ───…。



実らなかった切ない初恋の思い出は、時を重ねるごとに美しい瞬間だけを脳裏に刻み残していくのに、2度目の恋は、美しさの中にも激しさをも増していき。
そしてそれは、やがて穏やかな波をも伴って、心の中に広がりを見せていく。
恋は恋でしかなかった思い出の日々と、流され飲み込まれそうな程の激情を刻まれながらも、やがて穏やかな愛へと変貌を遂げた恋。
もし、そのどちらかを本物だとするならば、俺は迷わず2度目の恋を選ぶだろう。

<<fin.>> 目次はTOPページ(←クリックでページジャンプ)にございますm(__)m


↓これより下は、あとがきコメントになっておりますm(__)m



[READ MORE...]
*拍手内並びにブログ内にて頂戴しましたコメントは、
全て雑記&レス板(←クリックにて別窓)にて、レスを行わせていただきます。

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
ランキング参加しています。1日1クリック有効vv↑
小説をお気に召していただけたら、ポチッと一押しお願いしますm(__)m
  2008/05/03 恋幻〜RENGE〜 コメント(0) TB(0) 記事No(68) ▲TOP