すぐ傍にある温もりに鼻を擦り寄せ、ふうわりと抱き込まれた温もりにへにゃっと笑みが零れ落ちる。
ほんの少しの汗の匂い。だけどそれは全然不快なものなんかじゃなくて、むしろ安心感を伴って僕の意識を浮遊させる。
なんだかとっても幸せで、なんだかとっても嬉しくて。またすりすりと擦り寄せた鼻先に、包み込んでくれる温もりと同じくらいの柔らかさで何かが触れた。
「……──っ…!?!?」
そして水面をゆらゆらと漂うような心地よさの中、薄っすらと開いた瞳に飛び込んできた光景に、一気に覚醒した僕は途端に身体をカキンと硬直させた。
「おはよう…って時間じゃねえか」
くすくすと笑いながら僕を覗き込んでいたのは兵藤くんで。
その兵藤くんの顔が、目覚めた一発目にドアップで目の前にあって。
心の中でさえも声にならない叫びをあげた僕は、その瞬間ほとんどまともに機能してくれない頭をそれでもフル回転させようと必死になる。
「え、え、え…?え…っと…」
どうして目を覚ましたら兵藤くんがそこにいるのでしょう?
しかも、どうしてこんなにドアップで僕の顔を覗き込んでいるのでしょう?
ってか、何で兵藤くん裸なのーーーーーー!?……僕も…裸!?
── はだ……裸ですっっ! ──
僕は裸じゃないと寝れないなんて事は全然ないし。だいたい、兵藤くんの前で裸でなんて寝れるはずもないし!
しかもっ!2人とも裸の状態で、何で僕は兵藤くんに抱きしめられその逞しい腕を枕にして寝ちゃってるのでしょう!?
寝起きの思考で、すぐにこの状況を理解しろって方が無理な話……あ、あ、あああああっ!!
ぼ、ぼ、僕ってば!とんでもない事しちゃったんじゃん!!
寝起きでパニックになった思考の渦の中、じわりじわりと蘇ってくる記憶。
それはとんでもなく恥ずかしくて、それはとんでもなく幸せで。
「ううう……」
醜態晒しちゃったってのに、それでも幸せ感じちゃってる自分がめちゃくちゃ恥ずかしくて。
慌てて手繰り寄せた布団を頭からばふんと被り、完全に包まり縮こまってしまった。
そんな動きひとつにでさえ下半身に走る鈍痛が、あの行為が夢でもなんでもなく現実のものだって教えてくれたけど。だからこそ余計に顔を出せなくなってしまった。
「千幸」
布団の中でどうしようって、どんな顔すればいいんだろうって狼狽える僕を、その布団ごとぎゅって抱きしめてくれた兵藤くんがくすくすと笑いながらふうわりと抱きしめてくれる。
それにまた「ひぇぇええ!」と声にならない雄叫びを上げながら…でも、包み込まれる優しさと力強さに心の真ん中から掬い上げられた。
「無理、させたよな。平気?顔見せて?」
布団越しにだって伝わってくる、その低く甘い囁きは反則だ。
余計に顔を出せなくなっちゃうじゃん!僕だって、本当はめちゃくちゃ兵藤くんの顔見たいのに!
でもでもでも!この状態で顔なんて見ちゃったら、その瞬間沸点を越えるであろう羞恥が大爆発を起こしてしまいそうで。
「へ、へ、平気…ですっ!」
顔を出さないまま、布団の中からくぐもった返事をする僕を、やっぱりくすくすと笑う兵藤くんが布団の中に差し込んできた手でひょいと持ち上げる。
「う…わわ…っ!?」
あまりにも軽々と持ち上げられた身体が、気づいたときには布団に丸まった状態のままで隣に寝転がっていた兵藤くんの胸の上に乗り上げ、できた隙間からばっちりと目が合ってしまいまた狼狽える。
だけど、自分でくるんと包まってしまった布団に拘束され、身動きができなくなってしまった僕は文字通り自由に身体を動かせない。
「す、すみません……離し、て…くださ…」
もじもじと往生際悪く動く僕の額に、不意に落とされたキス。
ほんの少しだけ顔を覗かせた状態の僕に、次々と降らされる甘い口付け。
その仕草は優しいのに、真っ直ぐに見つめてくれる兵藤くんの表情は蕩けちゃいそうなほどに甘くて色っぽくて。
ボボボ…って、火照った顔を真っ直ぐに上げられなくなってしまった僕は、やっぱり布団に包まった状態のまま小さく小さく縮こまる。
「ありがとう…」
でも突然耳に届いた囁きに、「え?」って顔を上げれば、その笑顔に触れただけでも伝わってくるくらい僕を愛しく想ってくれている兵藤くんの気持ちが流れ込んできた。
あんな醜態を晒してしまった僕を、それでもこんなにも愛おしんでくれる兵藤くんにまたひとつ大好きの気持ちが膨らんでいく。
「またゆっくり、俺らのペースで進もうな?」
そしてまた贈られたキス。
今度はそっとそっと唇に押し当てられたその刻印が、抱えきれないほどに溢れ出した想いと共に頬を濡らす。
「大好き…」と、小さな小さな僕の告白に、うっとりするくらい柔らかい笑顔を浮かべた兵藤くんにまたきゅっと抱きしめられ、これまでにも数え切れない程の幸せをもらった僕は、今この瞬間ほんの少しだけ……少しだけ兵藤くんの恋人というポジションに自信を持てた気がした。
まだまだ全然頼りない僕だけど、せめて兵藤くんの前では兵藤くんの恋人だって自分に胸を張れるように頑張るから。
だから…ね?兵藤くん、ずっとずっと傍にいさせて…ね?
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■僕と彼の恋愛ベクトル-contents-(←クリックでページジャンプ)
最終話UP〜♪書き終えていたというのに時間がかかってしまってすみません(_ _(--;(_ _(--; ペコペコ
そして…またしばらく潜ります(おい!!
詳細はあとがきにて〜〜 これより下は、あとがきコメントになっております。↓
<<comment>> 232323Hitキリリク、『僕と彼の恋愛ステップ』全12話!本日にて終幕でございます〜!
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございましたm(__)m
今回のリク内容は『テンパり千幸のお初エッチvv』って事だったのですが……
リクを頂いてから時間がかかってしまい、またキリリクだというのに10話を越える長丁場(?)……なんかもう、本当にいろいろすみませんでした(_ _(--;(_ _(--; ペコペコ
さて…この連載中に、千幸のあわわっぷりにもなかなかの好評価をいただいたのですが(笑)、何よりも株があがったのは英介!
年齢詐称疑惑まで浮上してくるほど、高校生とは思えない奴の鉄の精神力には母も感心するばかりでした(え?
まあ、あの千幸の相手をしなければならないわけだし、英介にはあれくらいどっしり構えてもらわないとねvv壁|m`)ムフッ
初エッチまでの気が遠くなりそうな程に長い道のり(?)…それを越えた2人に、自分で書いておきながら拍手を送ってやりたい気分です(笑)
リクエストをくださいました桐豆さま!
思いっきり2人のお初に二の足を踏んでいた私に、このような機会を与えてくださいまして本当にありがとうございました!!m(__)m
実はもうひとつあった隠れリク…消化できずに申し訳ございません(_ _(--;(_ _(--; ペコペコ
全てクリアというわけにはいきませんでしたが、少しでもご期待に副えていればいいなあ…と(;´▽`A``
そしてそして!このお話を書かせていただけたからこそいただけたサプライズ!!
あつきさ〜ん!素敵なイラストを本当にありがとうございました!m(__)m
リクを頂けて、あんなに素敵なイラストを頂けて、本当に幸せ一杯の連載でした!
番外編という事で、とりあえずこの2人のお話も終幕。
またいつか、機会がありましたらお目にかかる事もあるやもしれません。
その時はまた是非!可愛がってやってくださいませね〜vv
さて…今後の更新ですが、『inside〜』…ええ、相変わらず進み具合がよろしくありません...orz
他にもいろいろと準備しなければならない事もありまして、リアルのお付き合いも最近ちょっと忙しい…
以前のようなお休みというわけではないのですが、また更新ペースが落ちると思います。
書き終え次第の更新ということで、またしばらく超不定期更新にてお願いします(_ _(--;(_ _(--; ペコペコ
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